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ユグドラシル法大全 初代皇帝バルバロッサは建国後、閣僚から構成される執政府を設立した。 そしてその執政府が初めに取り掛かった事業が、この法典の起草・制定であった。 母国アースガルズを始めとした王政・神政国家のみならず、 中小の議会制民主主義国家の憲法も参考にし、日夜議論を行った。 王権の暴走、或いは衆愚政治の果てに戦争に巻き込まれ、 そして滅んだ国家を幾つも見てきたバルバロッサは、 「如何に賢明なる民を育てるか」を第一に考えた。 彼は、皇帝が賢明で人望があり、有能であることは義務であり、 民がどれだけ賢く、知識を持つかが国家の命運を左右する鍵であると考えたのだ。 皇帝権すなわち全軍を統率する統帥大権、裁判機能である司法大権、国家全体の行政を執り行う執政大権など 各大権の明確化と、それぞれ統帥府、大法院、執政府への権威委任に関する仕組みを確立した。 さらに立法府として、後の帝国議会の前身である帝立最高臣民総会を設立し、 臣民総会議事堂(後の帝国議会議事堂)や各地の議事堂にて国民全員に、 月三度以上出席して政策・法律を議論することが義務付けられた。 バルバロッサが立法府として、敢えて直接民主制を採ったのには理由があった。 民族間・種族間の軋轢があり、また政治的な知識を持つ人間が少ないうちから 間接民主制である議会制度を採用することは、衆愚政治を招く。 そのためまずは国民全てに国家の在り方を考えさせ、 それが浸透した時に改めて議会を設立すべきだと考えたのだ。 意見集約は非常に困難であったが、バルバロッサは意見集約専門の委員会を設立し、 自らも執政官となったロクタスを始めとした閣僚とともに議会に出席して意見聴取を行った。 この時期のバルバロッサは戦中以上に疲弊していたらしく、 『騎士王本紀』に「妻セレニアがいなければ、私はすぐにでも変死体となっていただろう」と書いている。 また理想家の君主が多かった当時としては珍しい現実主義者であったため、理想家の嫌うことも臆せず行った。 その一つが宗教改革で、ユグドラシル正教を国教としつつ、 各所の独自宗教も一つ一つを皇帝公認という形で活動を認め、 その代わり秩序に反することがあれば国教たる正教会が異端認定を行うことを定めた。 そして治安組織として騎士団、その傘下に憲兵隊を創設し、帝国領全域に人員を派遣、治安維持に当たらせた。 その際「神聖帝国騎士規範」というものを作成し、バルバロッサが騎士、 ひいては臣民に必要と考える資質をあくまでも概念的・抽象的に纏めている。 「大凡帝国騎士たる者の役割は、臣民に奉仕し、生命・財産を護る事である。 その為であれば、汚れ役を買って出ることも厭ってはならない。そして、決して驕ってはならない。 傲慢は退廃への嚆矢となり、いずれ国家を破滅に導くものである。常に自らを戒め続けよ」 という一文から始まるこの規範は、彼の政治姿勢にも大きく反映されている。 普通の国民では重過ぎて、とても背負うことの出来ない重責を例え自らの心身や誇りを犠牲にしてでも、 自ら進んで負うべき者が騎士であり、皇帝であり、国家である。 そしてその重責に耐えた先に勝ち得た栄誉と賞賛は、国民に与えられなければならない。 それを心がけず、国民を蔑ろにすれば国家は動かなくなり、 いずれは打ち棄てられた溜め池の水のように、醜く腐り果ててしまうだろう。 そういった「権力を持つ者は相応の責任を負わねばならない」という考え方の下で 様々な人間の意見を反映し、約4年余りかかってようやく成案が纏められ、 そうして発布されたものが神聖帝国憲法であり、 その下の神聖帝国法規と併せてユグドラシル法大全と呼称される。 この憲法は後世では「テオゴニア大陸初にして最高の先進的憲法である」と高い評価を得ているが、 一方で不備が多いのではないかという指摘もあった。 具体的には皇帝の絶対性の不足や帝室の財産、 各省庁の役割に関する法整備などが不十分であると言われていたが、 これは9代皇帝アルベルトの時代になって大幅に改正された。 不十分であると判断され改正されることはバルバロッサも想定しており、 憲法前文には初代皇帝の宣言として改正に関する一文がある。 画像はバルバロッサがロクタスや側近と日夜議論を行ったエルネセウムの一室であり、 余談であるがバルバロッサは過労のあまり、 この部屋の床で凄まじい体勢で眠りこけていたのを妻に発見され、 自室に連行され無理矢理一週間ほど休まされたという記述を『騎士王本紀』に残している。 そして現在、この憲法は幾度かの改正を経ながらも本質は変わることなく、帝国の最高法規であり続けている。 「朕は、帝国の発展と、臣民の安寧に資する全ての責務を、朕の後に続く皇帝、 ひいては後世の帝国臣民諸君に委譲す。 朕は、建国者たる初代皇帝のみの有する、唯一無二の絶対的な権利として、 朕より優れた皇帝とその臣民に対し、この憲法の改正を承認することを、ここに宣言するものである」 ―――神聖帝国憲法前文より抜粋 era2 era3 ユグドラシル
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ハルト・デラポーア ソレグレイユ首都メルシュテル出身で、アルカディオ建造を主導した兵器産業省官僚であり 技術者だったアレックス・デラポーアの一人息子。 ハイドルケンの初等学校に通い、身体が弱かったものの生徒会候補となるほど 幼い頃から成績は優秀であったが、父親が淵奈爆撃の後マスコミに攻撃され、精神を病んで失踪した。 母親がいなかったこともあってかその後壮絶な虐めに遭い自主退学、 できるだけ離れるために久平領を経てユグドラシル帝都ファンタズムに退役軍人の祖父で、 元久平進駐軍副司令ヘンリー・デラポーア元陸軍中将とともに移住している。 しかしヘンリーは病気にかかったため教会に預けられ、ローネラズマの教会学校に入った。 その後は教会で悪魔祓いとして実戦訓練を積む。 座学以外では炎系魔術と射撃が比較的得意で、 得物は改造され連射が可能な銃剣型魔術礼装『フェイルノート』であるが運動は苦手。 ソレグレイユ時代は電子機器に強く、多少のエラーであればすぐに修正できるほどだった。 極端にひねくれた性格で基本的に人と話そうとせず、 よほど親しい相手以外には丁寧で落ち着いた敬語で話す。 どこでも暇さえあれば寝てしまう癖があり、その上過眠症であるがかつては不眠症だった。 暗い性格が災いして友人は少ないが、一度信頼できると思った人間には、 捻くれたことこそ言うものの誠意を持って接するよう心がけている。 失踪した父親を未だ誰よりも尊敬しており、 理不尽に父親と自分を虐げた一部の人間に対してのみ激しい憎悪を抱いている。 『フレイ・クリステンセン』という偽名で潜伏中だったアーサーとは話が合ったためか仲が良い。 被っている憲兵帽はかつて父親から6月13日の誕生日に貰ったもので、常に肌身離さず持ち歩いている。 教会に入ってからは手先が器用だったヘンリーによって思考を促進する魔導陣を描かれ、 また教会の制服に合うよう黒く塗って着用している。 これを着用している間はあまり滞り無く思考ができるが、アーサーにたまに取られると少しだけ弱気になる。 また、虫と誰からも好かれる、声が大きいなど目立つ人間と女性が苦手。 ソレグレイユ時代は父親の影響からかかなり重度のゲーマーであった。 また本好きで思慮深く、作家ブルーノ・シュニッツラーのファンである。 現在は暇さえあれば帝立大図書館で歴史書や物語に没頭しており、 下手をすれば夜通し寮に帰らず図書館に籠っている。 era3 ソレグレイユ ユグドラシル 人名
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辺境の町 クロムクロム ユグドラシルの奥地に存在する人口500名弱の小さな町。 観光に適したような場所も無く、外部からの人間も殆どない、どこにでもある辺境地。 悪魔の出現数も年に下級が1~2体現れるかどうか、という場所であり 自衛出来るだけの地元の魔術師もいたので、悪魔祓いや軍からの派遣部隊などもなかった。 しかし、ある時を境に悪魔の出現数が例年の数百倍にまで膨れ上がり、 ユグドラシル内における年間出現数の約2割にも及ぶという異常現象が発生した。 自衛組織は意味を成さず、また町からの脱出も不可能なほどになった。 さらに、クロムクロムからほど近い街へも被害が拡大したことで、国が事態を把握。 教会から悪魔祓いが派遣されることとなった。 このような現象が何故この場で起きたのか、原因は今も尚不明だが、 画像に写る、派遣されたBランク悪魔祓い率いる部隊が現地へ駆けつけた時には、 住民から相当数の死傷者が出ていた。 そして、悪魔の掃討戦を終え、悪魔の発生地点と思しき場所にやってきた悪魔祓いたちが目撃したのは、 ユグドラシルの望みを叶える鍵やも知れぬものであった…… era3 ユグドラシル 事件 地名
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「ノース・ルーテンシア」 ユグドラシル信託統治領、アースガルズ地区の北に位置する町。旧称は「アヴェンディア」。 旧・神政アースガルズ首長国領の町の例にもれずここも寒冷な気候の地だが、 それでも比較的発達した街ではある。 主な特産品は、魔術礼装を組みこんだ特性のクォーツを使用した、職人ものの懐中時計。 市内には世界で唯一のアヴェンディア時計の販売と修理を行なう時計店がある他、 時計職人を育成する専門学校も存在する。 悪魔術師の反乱において、シャラシャーティが最期に逃げこんだ土地でもあり 街の時計塔の上空にて、彼の信奉者達とユグドラシル軍の小数精鋭の勇士達が激戦を繰り広げた。 『この街の入り口に掲げられた看板に書いてあった「ようこそ、ノース・ルーテンシアへ」という文字。 けれど、街の中でそこかしこに掲げられている看板には街の名前は一つも無く、 代りにアヴェンディアという名前ばかりだ。 「この街の人間にとって、ここはまだ"アヴェンディア"なのよ」 道端で途方に暮れていた私をここまで案内してくれた眼鏡の女性は、そう言いながら自嘲的に笑った。 しかし、意味が解らずキョトンとしているしかない私に気づくと、彼女は歩きながら続ける。 「ルーテンシアは、押しつけられた名前なの。 ユグドラシルの都合で歪められてしまったこの国の象徴のようなものよ。 だから、この街の人間はその名前を否定することで、現実も否定しようとている。 ……愚かなことよね。そんなことをしても何も変わらないのに。」 まあ、私もこの街の人間なんだけどね、と言いながらどこか遠いところを見る彼女の顔を見ながら、 私はさっきの話を考えてみようとした。 けれど、村を出たばかりの私にはその話はなんとも難しく、 知らぬまに鳴らしてしまったお腹の音を彼女に聞かれてしまっていた。 「フフ…ごめんなさいね、変な話を聞かせてしまって。 そうね、この先にいいアースガルズ料理のお店があるの。 エルフのあなたの口に合うか解らないけど…」 料理、と聞いて私が大きく首を頷かせたその時、彼方に見える時計台から大きな鐘の音が聞こえた。』 ―――生まれ故郷を飛び出したエルフの少女の日記より era3 ユグドラシル 地名
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『試作型D3兵器Σ(シグマ) 能力発動形態』 D3兵器の量産に先立つ試作型として、幾多の犠牲の末に生み出された Δ(デルタ)、Θ(シータ)、Η(イータ)に続く4人目の試作D3兵器。 狂気の魔術師の好奇心により、ひたすら性能を高められたものの情緒が不安定な他の3人とは違い 戦闘力は控えめに、確固たる自我の確立というコンセプトの完成型として生み出された。 その確立された自我は、本来なら量産された少女達にも受け継がれるはずだったが 自我を持たない方がむしろ扱いやすく、戦闘力も落ちないということで、 結局そのデータが役立てられることはなかった。 そういった経緯により、おそらく唯一の「人としての自我を持ったD3兵器」として生きることになった彼女は、 本人の強い希望もあり情報部にて運用されることとなった。 一見すれば人間にしか見えない彼女は潜入に向いており、 しかも能力を解放すれば一時的に理性を失うことと引き替えに悪魔としての絶大な力を振るえるため、 破壊工作員にはうってつけだったのである。 諜報戦から破壊工作まで幅広い任務に参加し、それらを成功に導き高い評価を受けたが、 第二次文明戦争中期、反逆者エラミー暗殺作戦における戦闘中に行方不明になる。 画像は能力を解放した彼女の姿。 さすがに他の試作D3兵器達には負けるが、それでも後の量産型並の力は持っている。 体の表面には魔術回路が浮き出、漆黒の翼を纏う彼女の姿は、まさに悪魔といったところか。 リユニオンのクワトロ・シグマとの関係を疑われており同一人物説もあるが、詳細は不明。 era3 ユグドラシル 人名 兵器 技術
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imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 レゲイピス・鏡の湖畔 レゲイピスの南に存在する、透明度が高い美しい湖畔。 ソレグレイユの実験であらゆる不純物を食べ尽くす生体系浄化微生物"ヴァイキング"が頒布されているために 水中の不純物が殆ど無く、透明度は限りなく高い。 そのため冬に水面が凍っても曇ることは無く、このような幻想的な光景を見ることができる。 しかし、不純物が無いということは水中の栄養が無いということでもあるため、生物の姿も殆ど無い、死の湖でもある。 era2 era3 ソレグレイユ 地名
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Bottle Girl 魔法文明圏ユグドラシルの闇市で売買される種族。 元々はセイレーンだったが、科学文明圏ソレグレイユの研究者達に改造の上に改造を施され、 最終的にはほんの少しの魔力のみ使える観賞用の生物として改造された。 大きさは人間の子供ほどで、液体状の身体は夜にはほんのりと光る。 また、特徴としてそのすべてがセイレーン特有の美しい歌声を持つ。 その見目麗しさからエルフに次ぐ人気商品だが、エルフの倍以上の値段がする上に、 エルフよりも魔術が使えないという点もあり、貴族が観賞用に購入することが多い。 画像の青い少女はBottle Girlの中でも最高級品と言われ、 その美しい歌声とそこにいるだけで感じさせる清涼感から、求める者が多い。 黄色い少女もまた最高級品の一つに数えられ、その活発さに心を癒されるという者も多い。 こちらは既にサーカス団により買収済みである。 Bottle Girlの殆どは若い少女の姿をしているが、稀に少年タイプもあり、その場合はBottle Boyと呼ばれる。 なお、Bottleシリーズは永遠に年を取らず、専用の廃棄施設以外では廃棄が出来ない。 「わたしたちはいったい、どうなるのかしら」 「こわいね、でもきっとすてきなごしゅじんさまにあえるよ」 era2 era3 種族
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霊力 人間や動物をはじめとする、あらゆる生命体の精神に宿る神秘。 かつて境井夢子が提唱した、上位次元に存在する『超常エネルギー』の正体でもある。 era1 era2 era3 era4 現象
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imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 巨大鉱石群アイドクレイナイト 昼夜問わず淡い蒼のような碧のような色の光を発する自発光鉱石の発掘地。 発光素材としてソレグレイユ国内では盛んに発掘、加工品として流通している。 土地の所有者であったクレイという領主から国が買い取り、今では国営採掘場となっている。 領主の住む古城にはアイド鉱石と呼ばれる鉱石が使用されており、城内を温かく彩っている。 夜間になると雪山の麓にあるこの場は淡い蒼のような碧のような光で 純白の雪に幻想的な輝きを与えることから探検家などに絶賛されている。 era2 era3 ソレグレイユ 地名
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era1 開発と策謀の時代 先進国後進国ともども大量の物資を入手し、大量の物品を作る時代。 ↓ ジャッジメント・デイ(大絶滅) ↓ era2 探検と生存の時代 生き残った人が少しずつ戻ってくる。旧先進国の廃墟、旧後進国の遺跡の発見。民族の緩やかな分裂。情報のゆったりとした伝達。 断片的に残った高性能の遺物とそれを使いこなせない人類。 ↓ 時間経過 ↓ era3 復興と戦争の時代 完全に民族が分かれる。地理もはっきりする。技術的にもかなり破壊前に戻る。しかし、思想の対立は破壊前より深まっている。 悪魔の絶え間ない襲来におびえる各地域と、思想の対立から小競り合いを繰り返す人類。 そして、技術主義国であるソレグレイユの隆盛により、地域のパワーバランスに変化が生じる。 ↓ ”文明戦争” era2:ゴッヘルザッホと言う人物が世界各国を旅し、それの見聞録をつけていた。彼は多国語が話せ、交渉も上手い。よく偽名を使っていたとされる。 era3:当時のソレグレイユの少女、エラミーはこの頃に故国を脱走、ユグドラシルに逃げ込み、現地で潜伏とソレグレイユの滅亡を狙う。 era1 2070年代~2080年代 次元科学の誕生を機に暦を『西暦』から『era』に置き換える。 多くの次元世界が発見・開拓されてゆき、資源問題を克服した人類は繁栄を極めていった。 その後、約10年ほどでジャッジメントデイが起こりera1終了。 era2 ジャッジメントデイの後、人類は突然変異により核汚染の世界に適応した肉体を手に入れたため、 ソルグレイユやユグドラシルなどの国家が誕生するまでに半世紀と掛からなかった。 オルケインの追悼式でジャッジメントデイの存在が知られ、今まで各国バラバラだった年号をこの時era2に改める。 ここまででera1終了から約200年。 era3 追悼式が終わり、世界平和条約が締結されたのを機に年号をera3とした。 それから約50年間ソレグレイユは国内の遺跡調査を続けるも成果は上がらず、次第に多くの遺跡群を有する久平への疑念が高まってゆく。 その後ソレグレイユは戦争準備の末、対久平侵略戦争を引き起こした。 これに対しユグドラシルが介入、第一次文明戦争が勃発する。 侵略戦争から半年が経過した戦争末期、悪魔の大規模な襲撃により一時共闘。両戦力の消耗から停戦協定が結ばれ 以降約20年にわたる停戦期間"黄金の20年"が続く。 停戦から約15年後、ユグドラシル側では開戦派が実権を掌握、 更に5年をかけて軍備を整え、久平奪還を名目にソレグレイユ次元科学開発地区へと侵攻を開始する。 その後、久平解放を目的としたレジスタンス組織‘リユニオン’との接触を図り、共同戦線を張る。 ここまででオルケインの追悼式から約80年。 era1の幕開け 大量の物資、新地域の開発、超大国の安定基盤。世界各地の戦火は収まりを見せ、地球上は平和であった。 拡大するエネルギー問題に対応するための研究施設も作られ、これから安定期に入ると予想されていた。 しかし、問題は水面下で進行していた。 大国は増え続ける人口問題に対応する為、秘密裏に多数の国を消滅させ、人口の安定調整を図り続けていた。 衛星からの画像にも編集をかけ、それをインターネットに流していた。 唐突に、それは暴露された。 超大国の傘下に隠れていたアフリカ、南米諸国は離反を敢行。大陸ごとに国家群を形成した。 そのまま全世界に不信感は拡散、エネルギー研究室もそれの様相を転換させ、軍需体勢に入った。 このまま、世界大戦に巻き込まれると皆が思っていたとき、ジャッジメントデイは起こった。 それは、大国の行った世界各地に核を落下、そして、地球表面を大量に周回していた人工衛星の落下である。 密かに核を保持していた国も、報復のためにそれを大量に使用した。 人口は急激な減少を見せ、人類の活動は完全に麻痺を引き起こした。 核の炎は別の報復の形をとって広がり、世界中に撒き散らされた熱量は地球極付近の氷を融解させ、水位を上昇させた。 そのまま、人類はあるものは辺境地域に、あるものは旧都市部にとどまり、生存を続けた。 人類は復興する事無く、長い時を経ることになる。 era2の幕開け 文明がほぼ崩壊して長い年月が経った。 残された遺物は数限りなく、小舟の墓場などが現れた。 核、気候の変化によって生物達は急激かつ多様な変化を強いられていた。 人間の中には外形が変化し、寿命が異常に長くなった者も少なからずいた。 彼らは自らの異常性を認識し、孤独に暮らすことを選んだ。 物資の流通は完全に途切れ、全てのものが半固定された状態となった。 人間も例外ではなく、あるものは植物が異常に繁茂した地域に逃げ込み、あるものは砂漠地帯で生活し、 またあるものは旧都市部の瓦礫の中で命を繋いだ。 その中でも徐々に連帯意識が生まれて、思想が誕生した。 都市部の残骸の中からは、また新たな人類の隆盛を望む復興論が。 自然の驚異に晒される島国からは、このままの均衡を保つ融和論が。 そして、植物繁茂の地域からは、神の存在を絶対的なものとする唯神論が。 低温地域だった両極のバランスが微妙に崩れ、北方、ニイドウの寒冷さは強さを増したが、 南方の寒冷地域はスエラ、スノウ・ホワイトを残すだけだった。 南方の温暖化に伴う水位上昇の影響は各地に広がり、留まりを見せた。 era1から続いていた悪魔の襲来もあったが、復興の芽は着実に芽吹いていった。 era2の発達 さらに時間が経ち、文明は僅かに、だが着実に以前の様相を取り戻しつつあった。 都市部の残骸は以前の技術のベールを削り取ることに全力を注ぎ、復興論はソレグレイユと言う国家を組み立てるまでになった。 ソレグレイユから離脱を決意し、海を越え、旧ソレグレイユと呼ばれる部族を立てたものも少なからずいた。 彼らは以前の文明(海洋尖塔ム・パージル)を探し当てることに全力を注ぎ続けた。 融和論は根強くはびこり、久平と言われる中立国家群を形成するまでになった。 彼らは領土も狭く、技術後進国とソレグレイユ陣営からは見なされていたために、侵略に発展することは無かった。 唯神論はオールグリーンとなった地域に遍く広がり、かつて無い隆盛を見せた。 完全破壊地域と思われていた遥か西方にも人間は移動し、どの思想も持たぬ者達の集落が作られていた。 それらは、グルゲズ・シュルハルム、スエラ、水位上昇の都ミューミルなどであった。 悪魔襲来に対する各思想の区別が出た。 ソレグレイユは悪魔を忌避するものとし、完全に殺すことを絶対とした。 彼らにとって重要なのは旧文明の再興であって、昔から頭を悩ませてきた悪魔との融和ではなかった。 久平の対応は穏やかなものであった。彼らは出来るだけ悪魔をきづつけないような方法を模索し続けていた。 破壊衝動を他のものに向けさせる、網で絡めとる――原始的なやり方ではあったが、技術が進むにつれ、久平の自己防衛能力は高まっていった。 ユグドラシルのものは他の二つとは全く異なっていた。彼らは突然変異の人間(エルフ)を擁しており、悪魔は神の力の源泉と考えていた。 彼らは悪魔の研究に没頭するようになり、イズの古小屋の知恵を借りて、それとの融合を求めた。 era2の終結 そして、世界の大半が『ソレグレイユ』『ユグドラシル』『久平』と言う三陣営に組することになる。 ソレグレイユは残っていた遺跡の解読調査を行い、遥か昔に起こった大絶滅の情報を手に入れ、それを公開する。 他陣営はそれに驚愕し、そしてオルケインと言う場所を持って、追悼式を行う。 オルケインに建てられた記念碑と供に、世界は少しづつ変容を繰り返しながら、続いていくはずであった。 しかし、ソレグレイユの技術の手詰まり、そして、久平が持っていた大量の遺跡情報の公開、 そしてユグドラシルが奇跡の技とも称される、魔法を発明すると時代はera3に突入する。 era3の幕開け 失われた次元航行の方法を求め、ソレグレイユは科学を発展させ、 大地に残された僅かな手がかりを捜し求めていた。 だが、不幸なことにソレグレイユの勢力圏内の次元科学に関する手がかりは全て失われていた 苛立ちを募らせたソレグレイユが目を向けたのは、 ジャッジメントデイの影響が少なく、国内に多くの先史文明の遺跡を残す久平であった… 「きっと、あの国は次元科学の開発を進めているに違いない…」 疑心暗鬼にとらわれたソレグレイユは諜報戦の中で賢精イズの古屋の存在に気づいたのだった。 賢者イズの遺産を求めたソレグレイユは幾度と無く潜入部隊を送りこんだ。 が、それらの部隊が情報を持ち帰ることはなかった。 苛立ちの頂点に達したソレグレイユは、潜入部隊ではなく上陸部隊を送り込むことにした。 つまり、侵略戦争を開始したのである。 ソレグレイユはアルカディオによる淵奈の爆撃と 新兵器ティーゲルの使用により久平の約30%を占領すると、 イズの小屋を始めとする各地の遺跡から次元科学の情報を集めた。 この暴挙を、ユグドラシルは激しく非難、自国民の救援を口実に久平に魔導兵部隊を出兵した。 これが、後の世に‘文明戦争’と呼ばれる戦いの発端であった。 戦いは、ソレグレイユの圧倒的有利の中で進んだ。 そもそも、文明の再興や来襲する悪魔の研究に国力を割いていたユグドラシルと 貪欲に兵器開発のみを行っていたソレグレイユの戦力が釣り合うはずがなかったのだ。 久平の魔導部隊を殲滅したソレグレイユは、ユグドラシル本土への上陸作戦 『オペレーションラグナロック』を開始した。 ベルカン水路を爆撃により分断したソレグレイユ軍は上陸を決行する。 しかし、その作戦が成功することはなかった。 大量の悪魔が、艦隊を襲撃したのだ。 悪魔の襲撃に対抗するため一時的に戦争は休戦となった。 さすがに人類同士で争っている場合ではなかったからだ。 しかし、その戦いの中でユグドラシルはある戦利品を手にした。 大量の悪魔のサンプルである。 これまでも悪魔の死体や瀕死の悪魔は入手されていたが、 ユグドラシルはそれらを研究することなく廃棄していた。 しかし、文明戦争によりソレグレイユとの圧倒的戦力差を痛感したユグドラシルは、 ある決定を下す。 すなわち、悪魔の兵器としての利用である。 悪魔の持つ圧倒的な破壊衝動を魔法によって支配したユグドラシルは それらを『デビルデバイス』通称D2と名付け、密かに全軍に配備し 一方ソレグレイユは次元科学を断片的ながら復活させ、 その技術を転用した多数の『次元兵器』を完成させた。 こうして圧倒的兵力を有した両陣営は、久平を二つ、すなわち 『ソレグレイユ次元科学開発地区』『久平魔導人民自治地区』に分けてにらみ合いを続けていた……。 【第二次文明戦争に至る道】 第一次文明戦争の後、ユグドラシルは皇帝ガノッサ・エル・ユグドラシルの指導のもと、融和路線へと進んだ。 国内には軍拡を叫ぶ派閥も存在したが、国民の支持を得られずその活動は小規模なものであった。 一方、ソレグレイユは無理な軍拡による国内の貧富の差が広がり、経済の調整に力を注がざるをえなかった。 この両国の平和的な活動が続いた時期を“黄金の20年”と呼ぶ。 ガノッサ帝の死後、帝位は父から英才教育を受けた一人息子、アーサー・フォン・ユグドラシルへと受け継がれた。 しかし、将軍イザベルと摂政マイスナーの二人が主導権を握っていた王宮では、幼い彼は発言することすらできなかった。 こうして、ソレグレイユ征服論を唱える二人が国の実権を握ったことにより、黄金の20年は終焉を迎えた。 《悪魔祓いの反乱》 ユグドラシルの軍拡路線、特にD2兵器の研究に教会は何度も反対したが、受け入れられることは無かった。 それどころか、ユグドラシル側は『これまで調べてきた悪魔の情報を引き渡せ』という傲慢な要求を突きつけてきた。 これに反発した教会は、ロクタス大聖堂における会議の結果、ユグドラシルからの離脱を決定した。 この決定に先立ち、事前に皇帝の護衛を努めていたAランクの悪魔祓いが、 殆ど軟禁状態にあったアーサー帝を救出。 ベルカン水路を使ってライクネルに集結する他の悪魔祓いと共にロクタス大聖堂まで避難した。 この行動を受け、ユグドラシルはライクネルを包囲。皇帝アーサーの引き渡しを求めた。 それに対し教会は、誰も想像すらしなかった方法で難を逃れる。 まさに突入しようとした大軍勢の目の前で、ロクタス大聖堂は空へと舞い上がったのだった。 果たしてどのような魔術が使われたか定かではないが、こうして悪魔祓い達はユグドラシルを後にした。 《二つの文明の出会い》 教会そのものを宙に上げることで難を逃れた悪魔祓い達。 だが、様々な対空術式から狙われる可能性を考え、彼らはより高く、より遠くへと飛ぼうとした。 そうして、雲を突き抜け逃避行を続ける彼らは、そこでありえない存在と出会う。 そして、この出会いこそが第二次文明戦争に大きな波乱を巻き起こすことを彼らはまだ知らない。 『どうだ? ユグドラシルの追撃は来てないだろうな』 『……あのー、なんかすごいものが雲の向こうにあるんですが』 『すごいもの? まさか敵か!?』 『いや、あれは……なんて言ったらいいんでしょうか。とにかく、すごいもんです』 ―――教会の見張りを努めていた、C級悪魔祓いとその上司の会話 《二つの文明の出会い ~別視点にて~》 ウラノス群を天空(そら)に昇らせて170年余り。 未だ天上の人類は、同胞と悪魔以外に天空で遭遇していない。 新生土地誕生に立ち会った者は既にこの世には居らず、当時の事は子孫達の間では神話として語り継がれていた。 雲の上に昇ったウラノスの住人たちにとって、地上の存在などそれこそオトギ話のようなものとして扱われ、 今までその存在が知られることはなかった。 そして、天空での悠々とした人生を送っていた最中、彼らはありえない存在に出会うこととなった。 『正体不明の大型物体を捕捉! 第弐戦闘配備、急げっ!』 『何があるんだ? 悪魔なのか!?』 『いえ、悪魔の反応はありません。ですがこれは……建造物か?』 『ならば同胞なのか? はやくモニターを出せ!』 ―――警備塔指令室での司令官と索敵員の会話